CASE STUDY
シナリオプランニングによる戦略立案支援
クライアント
ヘルスケア企業
業界
医療・ヘルスケア
提供サービス
戦略コンサルティング
背景・課題:見えない未来への航海
クライアントであるヘルスケア企業の経営層は、テクノロジーの進化や市場ニーズの多様化、異業種からの参入など、自社を取り巻く環境の急激な変化に直面していました。「このままの事業を続けていて、5年後、10年後も本当に生き残れるのか?」という漠然としながらも深刻な危機感を抱えていました。特に、どのような不確実な要素(ワイルドカード)が存在し、自社の事業にどう影響を与えるのかを具体的に描けず、羅針盤のない航海のように、中長期的な戦略の舵取りに課題を感じていました。
ご提供した支援:未来を「自分ごと」にするワークショップ
GoTree Partnersでは、この課題を解決するため、経営層から各部門のキーパーソンまでを対象とした2日間の「未来洞察ワークショップ」を企画・実施。単なる分析に留まらず、参加者全員が未来を「自分ごと」として捉え、主体的に戦略を考える場を創出しました。
PEST分析(政治・経済・社会・技術)をベースに、事業に影響を与えうる外部環境の変化要因を網羅的に洗い出し。それらの要因が未来に与える影響度と不確実性の2軸で評価し、重要かつ不確実な未来の分岐点(クリティカル・アンサーテンティ)を特定。その分岐点をもとに、起こりうる複数の未来シナリオ(例:「理想的な未来」「崩壊的な未来」など)を具体的に描き出し、それぞれのシナリオにおいて自社が取るべき戦略オプションを議論。これにより、漠然としていた未来への不安を、具体的な打ち手として検討できるレベルまで落とし込みました。
未来シナリオ策定とバックキャストによる戦略立案プロセス
ワークショップの標準的なタイムライン(2日間)
Day 1:未来の可能性を探る
- 09:00-10:00キックオフ、未来洞察の基礎
- 10:00-12:00外部環境のトレンド分析(PEST)
- 13:00-15:00重要不確実性要因の特定
- 15:00-17:00未来シナリオの骨子作成
Day 2:未来から現在への戦略を描く
- 09:00-11:00各シナリオの意味合いを深掘り
- 11:00-12:00各シナリオでの事業機会とリスク
- 13:00-16:00バックキャスティングと戦略オプション立案
- 16:00-17:00アクションプラン策定、ラップアップ
参加者の声
「これまで未来について漠然と議論することはありましたが、これほど構造的に、かつ具体的に考えたのは初めてでした。特に『バックキャスティング』の手法は目から鱗で、未来から逆算することで今やるべきことが明確になりました。」
— 経営企画部長
「普段接点のない他部署のメンバーと、会社の未来という大きなテーマで本音で議論できたことが大きな収穫です。部門を超えた共通の危機感と、目指すべき方向性を持つことができました。ファシリテーションも見事でした。」
— 新規事業開発室長
成果:未来への羅針盤を手に入れる
本ワークショップを通じて、経営層から現場のキーパーソンまで、全社的な未来に対する共通認識が醸成されました。複数の未来シナリオを検討することで、どのような未来が訪れても柔軟に対応できる、レジリエンス(回復力)の高い戦略の方向性を見出すことができました。最終的には、策定したシナリオを基に、具体的で実行可能な中長期戦略およびアクションプランの策定を伴走支援。クライアントは、変化を脅威ではなく機会と捉え、自信を持って未来へ踏み出すための確かな「羅針盤」を手にすることができました。